登山でカメラを雨から守る方法|防塵防滴の過信は危険?天候別の対策を徹底解説

山の天気って、本当にコロコロ変わりますよね。
実際に私も「てんくらがAだから天気良さそう!」と意気揚々と登り始めたのに、山頂付近で急にガスって、気づいたら雨…。慌ててカメラをザックに入れた経験があります。
「防塵防滴のカメラだから大丈夫でしょ?」と思っている方、ちょっと待ってください。
実はその認識、かなり危険です。
この記事では、登山でカメラを雨から守るための具体的な対策を、天候レベル別にまとめました。
大切なカメラを安心して山に連れていくために、ぜひ参考にしてください!
- 「防塵防滴」が本当に意味するところ(メーカーごとの違い)
- 天候レベル別の対策早見表
- 具体的な防水対策グッズ5選
- 帰宅後にやるべきメンテナンス手順
- 防塵防滴対応カメラの選び方
防塵防滴の「本当の意味」を知ろう
登山にミラーレスカメラを持っていくとき、多くの方が気にするのが「雨に降られたらどうしよう」ということ。
そこで安心材料になるのが「防塵防滴」という仕様ですが、ここに大きな落とし穴があります。
「防塵防滴 = 雨に濡れてOK」ではない
まず大前提として、防塵防滴は「防水」ではありません。
カメラの防塵防滴は、あくまで「ほこりや水滴がカメラ内部に入りにくいように配慮した設計」であって、
水の中に入れても大丈夫という意味ではないんです。
ここを誤解している方がかなり多いので、しっかり押さえておきましょう。
メーカーごとに「防塵防滴」の基準が違う
さらにややこしいのが、メーカーによって防塵防滴の基準がまったく異なるということです。
| メーカー | 表記 | IP等級 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| OM SYSTEM | 防塵・防滴 IP53対応 | IP53を公称 | 対応レンズとの組み合わせでIP53。耐低温-10℃にも対応。業界トップクラスの信頼性 |
| Sony | 防塵・防滴に配慮した構造 | IP等級の明示なし | シーリング処理やパッキンで水滴・ほこりの侵入を抑制。「完全に防ぐものではない」と明記 |
| Canon | 防塵・防滴に配慮した設計 | IP等級の明示なし | シーリング部材を各所に配置。「完全に防ぐことはできない」と明記 |

私はα7RVを使っています。
Sonyの公式サイトには「防塵・防滴に配慮した構造となっていますが、ほこりや水滴の浸入を完全に防ぐものではありません」としっかり書かれています。
つまり、ある程度の雨には耐えられるけど、過信は禁物ということですね。
IP規格をざっくり理解しよう
OM SYSTEMが公称している「IP53」。この数字の意味を簡単に説明します。
IP○○ の読み方はシンプルです。
- 1桁目(防塵):0〜6の7段階。数字が大きいほど防塵性能が高い
- 2桁目(防水):0〜8の9段階。数字が大きいほど防水性能が高い
| 等級 | 防塵(1桁目) | 防水(2桁目) |
|---|---|---|
| 0 | 保護なし | 保護なし |
| 1 | 直径50mm以上の固形物を防ぐ | 垂直に落ちる水滴を防ぐ |
| 2 | 直径12.5mm以上の固形物を防ぐ | 15°傾斜での水滴を防ぐ |
| 3 | 直径2.5mm以上の固形物を防ぐ | 60°の範囲からの散水を防ぐ |
| 4 | 直径1.0mm以上の固形物を防ぐ | あらゆる方向からの飛沫を防ぐ |
| 5 | 有害な粉塵の侵入を防ぐ | あらゆる方向からの噴流を防ぐ |
| 6 | 完全に粉塵を防ぐ | 暴噴流を防ぐ |
| 7 | — | 一時的に水没しても浸水しない |
| 8 | — | 水中での使用が可能 |
つまりIP53は:
- 防塵5 → 有害な粉塵の侵入を防ぐ(砂埃が舞う登山道でも安心)
- 防水3 → 60°の範囲からの散水を防ぐ(小雨〜通常の降雨レベル)
IP53でも「本降りの雨の中で長時間使い続けてOK」ではないということがわかりますね。
IP等級を明示していないSonyやCanonの場合は、なおさら慎重に扱う必要があります。

ただこうしてみると、OM SYSTEMの防塵防滴は本当に信頼できるレベルなんだなとも感じますね。
天候別の対策レベル早見表
では、実際にどの天候でどう対策すればいいのか?一目でわかる早見表を作りました。
| 天候 | 対策レベル | やること | 撮影の可否 |
|---|---|---|---|
| 晴れ〜曇り | ★☆☆(低) | 通常通り撮影。砂埃が多い場所ではレンズ交換に注意 | ◎ 問題なし |
| 霧・ガス | ★★☆(低〜中) | レンズの結露に注意。クリーニングクロスでこまめに拭く。防塵防滴ボディならそのまま撮影OK | ○ 注意しながら撮影可 |
| 小雨・パラパラ雨 | ★★☆(中) | 防塵防滴ボディならそのまま撮影可。タオルでこまめに水滴を拭き取る。長時間は避ける | ○ 短時間なら問題なし |
| 本降りの雨 | ★★★(高) | レインカバー装着 or 撮影を中断してザック内に収納。防塵防滴でもそのまま使い続けるのはNG | △ レインカバー必須 |
| 大雨・暴風雨 | ★★★(最高) | 撮影しない。 カメラはドライバッグに格納して完全防水 | ✕ 撤退優先 |

私の体感として、日暮れや朝が結露しやすいです。
ボディやレンズの前玉にじわじわ水滴がつくので、インターバル撮影した写真が全部ぼやけてた、なんてことも…
ポイントは、防塵防滴ボディでも「本降り以上では対策グッズが必須」 ということ。防塵防滴はあくまで「保険」であって、ノーガードで使い続けていいわけではありません。
登山に持っていきたい防水対策グッズ5選
ここからは、実際に登山で使える防水対策グッズを紹介します。
1. ジップロック・ポリ袋
コスト0円の最強応急対策です。
大きめのジップロック(Lサイズ以上)にカメラを入れて、レンズ部分だけ穴を開ければ、簡易レインカバーの完成。
レンズ周囲を輪ゴムで留めれば、かなりしっかり防水できます。
登山ではいつ雨に降られるかわからないので、ザックの中にジップロックを2〜3枚常備しておくのがおすすめ。
カメラ以外にも、スマホや財布の防水にも使えます。
2. 防水インナーバッグ・スタッフサック
撮影せずにカメラを移動させるときの格納用です。
ドライバッグは口をくるくる巻いて閉じるタイプの防水袋で、大雨でもカメラをしっかり守ってくれます。
10〜15Lサイズがカメラ+レンズ1本を入れるのにちょうどいいサイズ感。
ザックの中に入れておけば、突然の雨でもサッとカメラを格納できます。

カメラバッグの選び方も重要です。
移動中のカメラの収納については、こちらの記事も参考にどうぞ。

3. シリカゲル(乾燥剤)
地味だけどめちゃくちゃ大事なのがシリカゲル。
登山中はザック内の湿度がどんどん上がります。汗や雨で湿った空間にカメラを入れておくと、レンズ内部が結露する原因にも。
小さなシリカゲルを2〜3個、カメラの近くに入れておくだけで湿気対策になります。100均やお菓子の包装に入っているものでOKです。

私もスタッフサックへ一緒に入れる用に乾燥剤を携行するようになりました。
4. レンズペン・クリーニングクロス
雨や霧の中で撮影していると、レンズの前玉に水滴がつきます。
そのまま撮影すると写真がぼやけたり、フレアの原因になったりするので、こまめに拭き取るのが鉄則。
レンズペンはコンパクトで登山向き。クリーニングクロスと合わせてポケットに入れておきましょう。

クリーニンググッズについてはアクセサリー記事でも紹介しています!

5. カメラ用レインカバー
「でもどうしても雨が降っている中でも撮影したい!」
そう思う方もいらっしゃるかと思います。
本降りの雨でもカメラを使い続けたいなら、レインカバーは必須です。
カメラ全体をすっぽり覆うタイプのものが各メーカーから出ており、装着したまま操作や撮影が可能。
登山で使うなら、軽量かつコンパクトに収納できるものを選びましょう。

雨だからこそ撮れる写真・動画もあるはず。
その時はカメラをしっかり守ってあげましょう!
撮影後のメンテナンスが超重要
結構忘れがちな方が多いんですが、雨の日に撮影した後のメンテナンスがカメラの寿命を大きく左右します。
「帰ってきたらそのまま棚に置いて終わり」は絶対NG。以下の手順を必ずやりましょう。
ステップ1:バッテリーとメモリーカードを外す
帰宅したらまず、バッテリーとメモリーカードを取り出します。
カメラ内部に湿気がこもったまま電源が入っていると、基板のショートや腐食の原因になります。
バッテリー室やカードスロットの蓋を開けて、空気が通るようにしておきましょう。
ステップ2:レンズを外してマウント内部を確認
レンズをカメラから外し、マウント面(カメラとレンズの接合部)に水滴が入り込んでいないかを目視で確認します。
防塵防滴対応ボディでも、レンズとの接合部のシーリングが甘いと、ここから水分が侵入していることがあります。
水滴を見つけたら、乾いたクリーニングクロスでやさしく拭き取ってください。
ステップ3:シリカゲルと一緒に密閉容器で乾燥
タオルで外装の水分をしっかり拭き取ったら、シリカゲル(乾燥剤)と一緒にドライボックスやジップロックに入れて密閉します。
この状態で数時間〜一晩置くと、カメラ内部の湿気が抜けていきます。
ドライボックスがない場合は、密閉できるタッパーやジップロックでも代用可能。
もし予算に余裕があれば、カメラ用の防湿庫も検討してみましょう。

私はカメラの保管場所として防湿庫を使っています。
都度ドライボックス等を準備する必要がないので便利ですよ。
ステップ4:結露が起きた場合の対処法
山から帰ってきて暖かい部屋に入ると、カメラの外装やレンズ内部が結露することがあります。
これは温度差で空気中の水分がカメラ表面で凝結する現象で、冬場の山行後は特に起きやすいです。
結露を見つけたら、電源を入れないこと。そのままカメラバッグにシリカゲルと一緒に入れ、自然乾燥させてください。
レンズ内部に結露が発生した場合は、無理に分解せず、メーカーのサービスセンターに相談するのが安全です。

カメラの保管環境って、長く使い続けるためには本当に大事ですね。
防塵防滴対応カメラの選び方
ここまで読んで「やっぱり防塵防滴のカメラが欲しい!」と思った方もいるかもしれません。
防塵防滴対応カメラを選ぶときのポイントを簡単にまとめます。

防塵防滴対応の登山向けカメラについては、こちらの記事で機種ごとに詳しく紹介しています。
ぜひ合わせてチェックしてみてください!

よくある質問(FAQ)
Q. 防塵防滴じゃないカメラで登山してもいい?
A. 大丈夫です。対策すれば問題ありません。
防塵防滴がないカメラでも、ジップロックやレインカバーで雨対策をすれば登山で十分に使えます。
むしろ大事なのは「防塵防滴だから」と油断しないこと。
この記事で紹介した天候別の対策を参考に、しっかり準備していきましょう。
Q. スマホは雨に強いけど、それでもカメラの方がいいの?
A. 撮影の目的によります。
最近のスマホはIP67やIP68といった高い防水等級を持つものが多く、雨の中での撮影はスマホの方が気を使わなくて済むのは事実です。
ただ、暗い場面での画質、望遠の描写力、ボケ表現など、ミラーレスカメラにしか出せない写真があるのも事実。
雨のリスクを加味しても「この景色をカメラで撮りたい」と思えるなら、対策をして持っていく価値はあります。
Q. レンズも防塵防滴じゃないとダメ?
A. ボディだけ防塵防滴でも、レンズが非対応だと接合部(マウント部)から浸水するリスクがあります。
防塵防滴は、カメラボディとレンズの組み合わせで性能を発揮します。
OM SYSTEMのIP53も「IP53対応レンズとの組み合わせ時」という条件付きです。
とはいえ、非対応レンズだから即ダメというわけではありません。
小雨程度ならマウント部をタオルでカバーするだけでも十分対策になります。
本降り以上の場合はレインカバーで全体を覆ってしまうのがベストです。
まとめ
登山でカメラを雨から守るために大切なのは、以下の3つです。
- 「防塵防滴 = 防水」ではない。 メーカーごとに基準が異なるので、過信しないこと
- 天候に合わせて対策レベルを変える。 本降り以上ではレインカバーかドライバッグが必須
- 撮影後のメンテナンスを忘れない。 バッテリーを外して乾燥させるだけでカメラの寿命が変わる
山の天気は予測できません。でも、正しい知識と準備があれば、雨の日でも安心してカメラを持ち出せます。
大切なカメラと一緒に、山で最高の一枚を撮りに行きましょう!
ちゃんと対策さえすれば「雨 = 撮影チャンス」に変わります!

霧がかった稜線や、雨に濡れた木々のしっとりした質感など。
雨の中で撮る山の写真、実はすごくドラマチックで面白いですよ!
今回は、以上!







